2019年のラグビーワールドカップは記憶に残る大会だった。参加各国の国歌やアンセムを日本人も覚えて大声で唱和するという前代未聞のことを行ったからだ。ラグビーワールドカップでは南半球の国々や、太平洋の島嶼国家、さらにはグレートブリテンを形成するスコットランドやウェールズなども常連国であり、他の競技では国歌が歌われる機会は少ない。
そういった小国でも日本で引け目を感じることがないように、カタカナレベルではあつても、原語の発音に近づけてスタジアムで唱和したのだ。日本の応援文化を世界に知らしめることになった。
その時、ウェールズをキャンプ地として迎えた北九州市のおもてなしは特に有名になった。ウェールズのアンセムを練習会場でも試合でも大声で歌つて選手を勇気づけたのである。いま記録の映像をみても感動的な風景だ。このアンセムの曲はとても美しく、かつ親しみやすく、懐かしさまで感じるものであった。ウェールズの曲はかなり親和性が高い。

その理由は音階的に日本の伝統音楽に近いヨナ抜き音階であることや、明治以降の音楽教育がいわゆるケルト系音楽を中心として展開したことと関係があるという。親しみやすい西洋音楽を優先して教えたということである。ウェールズ語はまったく馴染みのないものだったが、そのメロディはどこかで以前聴いたことがあるような気がした。
音楽の繋がりという一面を発見した案件であった。このような見えない繋がりはいくつでもあるのだろう。それを意識できれば平和に繋がるのかもしれない。
