紫陽花の季節

 6月に入る前から真夏のような暑さになったが、さすがに6月となると間もなく五月雨の予感がする。ただ今年の場合は台風の接近が先行しそうで、その後に雨の季節になるのだろう。この時期の花屋の店先は紫陽花の鉢植えが並ぶ。今年見るものは一層色鮮やかで、私の知っているものとは少しイメージが違う。

 有名な話だが、紫陽花の原種は日本のガクアジサイであり、それが西洋に渡って品種改良が重ねられ、セイヨウアジサイといういまのいわゆる紫陽花になったのだという。土壌の質によって花の色が変わる性質も結果的に結果的には珍重されることになったという。

 紫陽花にはいろいろな興味深い話が他にもある。実は花と思って見ていたのは萼であって、本当の花はかなり質素なものであることや、葉には昆虫類が嫌う微弱な毒素があり、虫蝕を逃れることができるそうである。花の色は地中のpHによるが、アルミニウムの量とも関係しているようだ。万葉集にはすでに現れているが2首にとどまり、それもあまりいい扱いではない。問題ある植物としての評価がこの花の不人気の理由であった。

 いま見る紫陽花はどれも豪華で美しいが、そのようになるまでの長い下積みがあったということになる。

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