地震を人工的に起こすことは現代の科学ではほぼ不可能だ。微弱な地震を核爆発などを使って発生できても、いわゆる震災を起こす地震を人為的に起こすことはできない。地震のエネルギーは桁違いに大きく、人類がこれまでに開発した最大の核爆弾を使用しても震災レベルの地震を起こすことはできないという。
それなのに地震陰謀説が出るのはなぜだろう。予測不可能な地震の発生を誰かのせいにしなければやりきれない切実な思いの為せるわざなのだろうか。その背景には不如意な日常に対する不安もしくは不満があるといえそうだ。自分を取り巻く好ましくない現実は、きっと何者かの陰謀で仕組まれたものであると言いたいのである。
科学的な言説はこの場面ではほぼ無視される。あるいは理解していても分からないものとして判断停止されてしまう。人工地震が人々を襲うという幻想がまことしやかに語られるのは、社会不安の変形と言うことなのであろう。
