こぼれ種

 通勤途中のアスファルトの隙間に、キンギョソウが咲いている。園芸店で売っているものよりは幾分小ぶりだが、同じ形で色も鮮やかだ。その隣にはマーガレットに似た花も咲いている。これらは植えられたものではなく、どこかの花壇から種が飛んで来たか、何者かに運ばれてこの地に芽生えたのであろう。園芸品種の中にもたくましいものは多い。

 同じ場所に昨年まではベニバナユウゲショウというツキミソウの仲間が生えていた。今年はそれに打ち勝ったということになる。植物の世界も厳しい生存競争がある。

 パンジーの仲間も過酷な環境に耐えられるようだ。耐寒性も、浅い土壌も厭わない。スミレの強さを受け継いでいることが分かる。

 近くの公園で幅をきかせていた野草が、草刈機や除草剤で消えてしまった。すると空いたスペースに植物のレースが再開するのだ。人間が手を入れるまでは進化で獲得してきた生存のスキルが陣取り合戦に活用される。そんなふうに思って散歩をするとかなりエキサイティングな風景にたどり着ける。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください