金曜の夜は実はかなり披露している。体力の減退もあるが、いまの生活は毎日が全力で行かなければならないという思いが強く、心身ともに困憊してしまうのである。もっと余裕があったはずなのに。それを思うとさまざまな悪い付帯事項が惹起するので、すぐに打ち消すことにしている。
疲れた夜にするのはなにか。いろいろ試してみるがどれも神経をかえってすり減らしてしまう。そのなかで成功率が高いのが若いころに聴いた曲を聴くことだ。昔夢中になって曲を聴き直してみると、その当時のことがほんの少し思い出される。当時の若く甘い人生観を思い出すとなぜかほほえましく感じてしまうのである。同じ自分であるのに。
それを今を嘆く材料にしてしまっては逆効果だ。むしろ、忘れていたひたむきな気持ちを取り戻すことを思うのがいいと思う。そして大抵の場合、そういう方面に心は動くのである。懐かしい曲を聴くのは知らず知らずのうちに失われた何かを取り戻すためのきっかけなのである。


