谷村新司さんが逝去された。私より少し上の世代であるが、アリスとして活躍されていたときはリアルタイムで楽曲に親しんだ。そのころ始めたギターの練習曲にもアリスの曲が多かった。時代を彩る方がなくなると何かが大きく変わったような気になる。
人の命は限りがあるからいつかお別れが来るのは知っている。自分だっていつこの世を去るのかは分からない。この後すぐかもしれないし、もうしばらく世にはばかるかもしれない。ミュージシャンの場合は少し違う。人生は短く芸術は長い。残した曲はいつまでも消えない。誰かが歌い継ぐ限り続く。個人的には「遠くで汽笛を聞きながら」の哀愁が好きだ。絶望しながらも生きていこうとする底力を感じる。あの時代の雰囲気には実にあっていた。
最近の歌にもいいものがある。それを共通体験として持てているのだろうか。多様化の中で時代を代表する歌謡なり、事象というものが細分化されている。すると共通の体験は持てなくなるのでは危惧してしまうのだ。