AIで要約の陥穽

 最近は文書を読み込んだだけで人工知能が立ち上がり、文章を要約してくれる。さらに文章の改善点を指摘することもある。実用的な文章に限ればかなり精度が上がっており、私もしばしば参考にしている。

 ただ、小説などの文章においてはあまり信用していない。そもそも創作を要約することには限定的な意味しか感じない。論理的な文章に比べればあいまいであり、無駄な展開もある。ただそれを含めて作品世界であり、要点だけを知っても本当に作品を鑑賞したとは言えない。

 最近はタイパなる概念のもと、なるべく短時間で効率よく収穫物を得ることがよいことのように考える人が増えている。自ら努力して作品世界に踏み込み、迷宮をさまようことなく、失敗しないガイドブックを始めから求めてしまう。

 私自身、何度完読しようと思っても挫折してしまっている本がいくつもある。ただ、いつかは読んでやろうとは思っている。さまざまな情報源により、どんな内容なのかはだいたい察しはつくのだが、やはり自分の足でゴールまで歩き通したいと思うのである。

 人工知能はたどり着けなかった到達点の幻影を見せてくれるが、それはあくまで幻だと考えている。その地に到達するまでのさまざまな経験こそが大切だと思うのである。

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