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つぎはぎ

 記憶はときに曖昧になり、脱落したり変容したりする。過去を正確に再現することは難しい。時間が経てば経つほど、事実は分からなくなる。

 ただ、私たちの思考や行動がこれまでの経験に裏打ちされているのは紛れもない事実だ。その基準となるものが揺れ動くものであることが不思議なのである。

 文字や映像に残せば少しはましになる。でもそれをどのように受け取るのかはどんどん変わってしまう。結局はつぎはぎの記憶と印象を組み合わせて私たちは今を生きていくしかない。

時間短縮恐怖症

 作業時間の短縮を呼びかける人たちの中には、明らかに心的な余裕をなくしている人がいる。作業時間を減らせば効率が上がるというのは事実だが、それで終わってしまえば自分を機械に調和させたというだけの話だ。

 大事なのはその後である。機械的な仕事は効率化してより曖昧で複雑なことに関する考察をする時間を持たなくてはなるまい。作業効率はそのための手段に過ぎない。となると、そのより高次の思考にも機械的な発想を持ち込まないか心配になる。

 決められたことを処理する仕事と、未知の分野を開拓する仕事は性格が異なる。試行錯誤の上で無駄になることが数多く出てしまう。まさに失敗の山からわずかな成功を見いだすことが寛容だ。

 時間短縮恐怖症の人々にこの忍耐力を持っていただかなくてはやはりイノベーションは起きず、徒労感のみが残ることになりそうだ。

 漢字検定協会の今年の漢字が発表された。「金」なのだそうだ。オリンピックがあった年であり、給付金制度をめぐって議論があった年であるからうべなるかなということだろう。

 でも、私たちは金には別の意味も感じる。いっこうに上がらない所得もまた金である。恐らく政府なり財界なりの失策が健在化しているのだろう。責任追及も大事だが、それよりも今そこにある危機を乗り越えなければなるまい。そのためには国や自治体に頼らず自己開拓で稼ぐしかない。その覚悟をくれた年でもある。

 金は最後の頼れる資産という人もいるが、昨今の相場は下がるばかりだ。貴金属もよいがいまは明日への安心感がほしい。来年の漢字が幸になることを祈らずにはいられない。

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できないことを意識して

 最近、以前とは同じようにできないことを思い知らされる場面が増えている。もっと頑張れたことができない。自分を甘やかしているわけではないが、できないことが増えてしまっているのはしかたがない。

 ただそれでもあきらめるつもりは全くない。これまでのように時間をかけてじっくりやるというのは体力や気力の制約があって難しい。やるなら短期決戦だ。そして、完璧を求めず量産することだ。これは俳句を作るのに似ている。たくさん作ってたくさん捨てよ。俳句の師の教えである。句作のみならず、これからの仕事の大半はこの戦略で行こうと思う。

 今大切なのはなんでもできるとは思わないことだ。今できることを今できる範囲でやるしかない。それが凡人の戦略であり、唯一できることなのだろう。私はこの方法は他の方にもお勧めしたいと思っている。完成品を求め過ぎないことが大事なのではないか。中途半端でも発表し続けることでスキルが保たれ、上達もしていくのではないかと考えている。今できることを今やるということだ。

ちょっとした贅沢

 贅沢とは何かを考えるとき、金をかける方面で考えると際限がない。世間はとてつもない財産家がいて、その人と比べると惨めになる。

 しかし、例えば好きなことに没頭して他のことを忘れることができる時間を持てたなら、それは贅沢の範疇に入るだろう。別にどこかに行かなくても、何かを買わなくてもそう思えるのならば立派な贅沢だ。

 そういう心の豊かさを持たなくてはならないとつくづく思う。

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レトロラッピング

 現在走っているガソリン車のポディをそのまま使って電気自動車にしてしまう企業が注目されているらしい。中にはいわゆるクラシックカーのEV化もなされるようで興味深い。

 松本零士の漫画に銀河鉄道999がある。見た目は蒸気機関車が牽引する客車だが、銀河を越えて遥かな旅をするハイテク列車だ。見た目はレトロだが実は最先端技術が搭載されているというものは今後の一つの流れになるかもしれない。新しいものは機能的だが、それゆえに味わいがない。レトロなラッピングをすることで親しみやすく使えるものができるかもしれない。

 ものの話ばかりしたが人間にもそういう人がいても面白い。見た目は老けているのだが実は最新のスキルを持っている。そういう人だ。私はそれを目指したいが中身がやはり追いつかない。ラッピングの方はすでによくできているのだが。


ハイリスク

 宝くじには当たったことがない。正確には一万円ならあるが、それもかなり前のことだ。今年も年末の宝くじの宣伝がしきりだがどうしよう。

 くじの当選確率は恐ろしく低い。2階からコインを貯金箱の平たい穴に入れるようなものだ。まずは当たらない。しかし、万一当たれば支払額によりはるかに多い見返りがある。ハイリスクにしてハイリターンの典型だ。これはあくまでおまけとして考えるべきだ。当たるかもしれないと夢見ることが楽しい。本当に当たってしまうとかえって人生が狂ってしまうかもしれない。

 それよりも地道にやるのがよい。ただ最近はノーリスクではノーリターンどころか損失が出る。リスクをとってもやるべきことはやろう。そう考えて時間と学習に投資することにした。成果はあるのか。ないかもしれないが、宝くじよりは手応えがあるとは言えるかもしれない。

体調

 気温差があるせいなのか少し体調を崩してしまった。発熱や風邪症状ではなく、感染症ではなさそうだ。単に疲労しているのだ。

 身体が冬のモードへと切り替わるとき、これまでもこのような症状になってきた。天候同様、私の中にも嵐の通過する日があるようだ。

 冬は決して嫌いな季節ではない。引き締まるような感覚がいい。高村光太郎の詩を思い出す

やるべきことは

 やるべきことはやっておかなければならないと最近痛感する。もう少し上達してからやろうなどと考えているとなかなかできない。まさに拙速を貴ぶのである。

 私の場合、物事に取りかかるのが遅い。慎重といえばそのとおりだが、代りに得られることも限定的だ。後回しにしてよかったこともたくさんある。ただ、最近、自分の心身や気力が下降していることを感じている。やるなら少しでも条件がいい今がいいと考えるようになった。

 能力、才能の拙い身でできることは限られている。でも、できることはまだたくさんあるはずだ。それを一つずつ実現していこう。

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連続する地震

 関東地方てほこのところやや大きな地震が続いている。今日は未明と早朝に山梨県付近を震源とする地震が相継いだ。私は専門家ではないので以下述べることに全く信憑性はない。

 この地域を震源とする地震は年間を通して頻繁に発生しており、特別ではない。複数の地盤がぶつかり合う場所の近くであり、緊張が起きやすい場所なのだ。だからこれがすぐに大地震の前兆であるとか、富士や箱根の噴火に繋がるものではないと思う。

 ただ、長期的な観点ではこの地域に限らず、大きな地震が起きる可能性はどこにでもある。その時の備えをどのようにするのかは考えておくべきだ。

 個人的にはものの所有を少しずつ減らしていく必要があると感じている。私は捨てられない気質でなんでもとってあるが、そろそろ見切りをつけることにしたい。本当に残しておきたいもの以外は、処分するか寄付することにしよう。地震などの天災はそういうことを考えさせるきっかけなのかもしれない。