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アジアプロ野球チャンピオンシップ

 日本の優勝を素直に喜べばいいのだろうが、このところ日本代表が勝ち続けていることを考えると、アジアの実力低下やそもそも野球の人気の減退を危惧してしまう。

野球はおもしろいですよ

 アジア大会と言いながら、参加しているのは日本、韓国、台湾、オーストラリアの4国だけである。プロ野球が興行として成り立つためには様々なハードルがあり、たまたま日本はそれに恵まれているというのに過ぎない。野球先進国としては海外にそのノウハウを提供して、スポーツとしての存在価値を高める必要がある。

 今回は年齢制限制の大会であり、若手に活躍の機会を与えたのはよいことだ。彼らがそれぞれの国のリーグで今後活躍してくれること、あるいは別の国のチームに渡って成績を残すことを期待したい。

ゼルビア昇格

 FC町田ゼルビアがJ1リーグへの昇格を決めた。悲願達成といったところか。

 何度か書いてきたが私はJFL(社会人リーグの最高峰)に昇格したときにこのクラブの存在を知った。少年サッカーチームのトップチームとしてあったものをそのまま使ったために、企業スポンサーがなく、スタジアムも客席が足りない市営陸上競技場を使うなど悪条件ばかりだった。すぐ隣にはフロンターレの練習場があり、東京にはヴェルディもFC東京もあるからさらにクラブはいらないとも言われていた、

せっかく昇格条件を満たしてもスタジアムが規定以下ということで見送られたり、コロナ禍で昇格枠が小さくなって機会を喪失したりとあまりいいことがなかった。

それがサイバーエージェントがスポンサーとなり、一時町田以外に移転する説も出たがそれを振り切り、今回に至った。まずは努力に賛辞を送りたい。夢を見させてくれてありがとう。J1リーグは厳しいと思うが、挑戦する姿を見守っていたい。

そういえば優勝の経験は私がこのクラブを知ってからは一度もない。今季は後少しだ。ぜひ優勝を。

スポーツ界に学ぶこと

 最近日本チームや日本人選手の海外での活躍が多い。大谷翔平選手のホームラン王はその象徴的な例だが、ほかにもトップレベルで活躍する選手がたくさんいる。少し前のことを思い出すと、日本人は体格的に不利だとか、スタイルが悪いからだめだとか、様々な自虐的な自己卑下があったことを思い出す。それらはしょせん思い込みであったことになる。

 現在成功している分野では競技人口を増やしたり、将来を見据えた設備投資をしたりしたものが多い。幼少のころから少数のエリートを選抜して育成するというスタイルは日本ではとりにくい。裾野を広げることで可能性のある選手の現れるのを待つというのがこの国の在り方とみる。

 スポーツ以外でもこの方法はとらなくてはならないのではないか。科学者を育成するならば多くの科学好きを生み出すことが必要で、その中から図抜けた人材が出てくる。文学もそうだ。多くの人が創作体験をすることで達人が生まれる。かつての俳句がそうであったように、文芸のレベルを庶民にまで広げることは大事なことだ。そしてそれがこの国の底力であった。

 それなのに昨今は効率や生産性のことばかりいい、無駄な努力を嫌う傾向にある。本当に自分が好きなものを探させ、熱中させることこそ、この国のあるいは地域の未来を築くことにつながるはずなのだ。スポーツのように単純ではないが、でも世界を変えるためには決してエリート教育だけが必要なわけではない。

まだ何もないところへのパス

 サッカーやラグビーの選手の出すパスはまだそこに誰もいないところに向かって出される。だから、相手も取れない。

まだそこにいない相手に

 パスを送る者も受ける者も動きのエネルギーの方向や大きさを予測し調節しながら試合をしているのだ。それが際どいものほど、スーパープレーということになる。

 恐らくこれはスポーツ以外にも当てはまる。まだ起きていない事態に向かってパスを送る。そしてそれを受ける相手はその場所に最短距離で向かう。これが上手くいけば大きな成果が得られる。

スポーツが人生のヒントになるのは、スポーツが人生の一部を切り取って強調したものだからだろう。複雑な要因の枝葉を落とすことでものごとがわかりやすくなることはある。

第2球場が消えている

 渋谷に住んでいた頃、近くの神宮外苑にはよくでかけた。中高生の頃は自転車で周回道路を走ったり、芝生の広場で野球をしている人たちを眺めたりしていた。当時は全く人気がなかったスワローズの神宮球場の試合を新聞社の景品でもらったチケットで観に行くようになって少し付き合いが深まった。学生になって野球部の試合も観戦するようになった。当時から気になっていたのが第2球場の存在だった。

 神宮球場に隣接する第2球場はおそらく練習用に作られたのだろうが、私がこの地に通っていた頃にはすでにゴルフ練習場となっており、不思議な存在だった。時々突然大学野球が行われたりしていた。ただ、その時点で野球以外の使われた方が優先されていたようで、神宮球場で大学野球とプロ野球が同日開催のとき、スワローズの選手は近接する芝生のグラウンドで肩慣らしをしていた。当時の主力打者の広沢選手は球場から明治大学の得点を意味する応援歌が流れるたびに喜んでいたのを思い出す。

 第2球場に入ったことはおそらく2度ある。一つは高校野球の大会で、もう一つは東都大学野球の試合だったと思う。どちらも観客は少なく閑散としていたが試合はかなりレベルの高いものだったと記憶している。ゴルファーが立つ場所が設置された特殊なスタンドが印象的だった。

 この第2球場が現在解体されている。再開発によりラグビー場が建設されるらしい。今の秩父宮ラグビー場は解体されることになっている。神宮外苑の再開発に関してはさまざまな意見があり、特に植栽の変更がもたらす環境問題が注目されている。都心のなかにある緑地であり、戦時には学徒出陣の聖地となったこともあるらしい。自然の保全と、歴史的な記憶の保護は重要な問題だ。第2球場という存在の意味が分かりにくかった施設も実は意味あるものだったはずだ。結局この地を離れることになったため、縁が失くなってしまったが、取り壊されたと聞くと残念でならない。

FC町田ゼルビア

 町田にプロのサッカークラブを作ろうという機運が高まり、JFLに昇格したあたりから私は時々観戦に出かけたことがある。今は立派になった町田市立陸上競技場の客席の大半は傾斜した芝生席だったし、鉄道駅からのアクセスが悪いからプロチームは無理だと言われていたことを思い出す。今年はJ2リーグでの首位を独走しており、先日の天皇杯予選ではJ1首位の横浜・F・マリノスに圧勝した。相手はベストメンバーではないにしてもJ1の優勝争いをするチームに勝つまでの実力があることが証明されたのだ。

 私が観戦したころはJFLの3~6位くらいを行ったり来たりしていた。相手は実業団チームであったが、TDKや松本山雅などのちにJリーグに昇格したチームもいた。観客はいつも1000~2000程度でそのなかにもかなりの招待席があった可能性がある。熱心な応援団がガラガラの観客席にチャントを繰り返していた。選手たちのかける声もよく聞こえたし、試合後に観客席に挨拶に来ると、観客席の少年から「コーチ」の声が多数かかった。少年チームの指導員の仕事を掛け持ちしていたのだろう。町田は少年サッカーが盛んな土地柄で、当時Jリーグで活躍する選手の出身地は静岡の街に肩を並べるくらい多かった。その後、J2に上がり、再びJFLに陥落し、そして再昇格した。

 チームが強くなったのにはいろいろな要因がある。サイバーエージェントがスポンサーになったこともその一つかもしれない。人気が出るとあたかも昔からプロサッカーチームがあったかのように思う人が増えてくる。「パスを回せ」「こっちだー」と大声でボールを要求していた選手は今は都議会議員になっている。あの頃は人を集めるのだけで一苦労だったのに。

私がなんとなく大切にしているものの一つにJFL時代のチケットの半券がある。すでにプロ化の進みつつあったもので、サポータークラブに入っていたのでそのおまけとしてもらったものだ。2010年8月1日の試合で、ガイナーレ鳥取と対戦して0-1で敗れている。記録をみると7081人の集客があったようだ。私はソニー仙台やホンダロックといった実業団チームとの試合の方が実は印象に残っている。千何百人のうちの一人になれたことを嬉しく思ったものだ。

応援

 スポーツ観戦での声出し応援が再開されている。応援など無意味な自己満足だと思っていたが、この制限下においてそれが間違いであったことが明かされた。スポーツはやはり気持ちが大きく左右する。人間の行うことはそこが違うと感じた。

日本の野球これから

 ワールドベースボールクラシックは日本が優勝したことで野球熱は復活するのだろうか。気になることはそうは言ってもやはりアメリカの下部組織のような役割であることは、変わりがないという事実だ。

 日本のプロ野球のレベルを上げるためには外国人登録枠をもう少し広げてもいい。そして二軍の地方分散と地位の向上を目指すべきではないか。

 今回の国際試合で活躍した各国の選手が日本でプレーする姿をみたい。ウラディミール・バレンティンのように日本で開花する人材もいるかもしれない。

応援の仕方

 球場に歓声が戻ったのは大変うれしいことだ。WBCの中継では久しぶりに声を出しての応援風景も見られた。鳴り物入りの応援は日本の野球の特徴であり、野球の魅力の一つになっている。

 ただ、私たちは無観客試合の中継を通して打球音や、選手たちが味方に檄をとばす声などを聞いてしまった。それは野球のもう一つの魅力を思い出させてくれた。このスポーツはかなり大きな音がするスポーツであり、またチームワークが大切でかなりメンタルな面が強いということを。

 実際に野球をしている人ならばこのことは知っているはずだ。ただこれまでテレビを通してしか試合を見たことがない多くの人たちにとって、選手の声を直接聞いたり、グラブに吸い込まれるボールの音などは知りようもなかったはずだ。

 華やかな応援と打球や捕球の音を聞く楽しみはどのように共存できるだろうか。私は新たな応援スタイルが生まれることを期待している。それは投手が投球モーションに入ったら鳴り物をとめることだ。ボールがミットに入るか打ち返されたらまた盛大に応援すればいい。

 このスタイルが定着すれば野球はもっと魅力的になる。応援する人は常に選手の動きを見ていなくてはならないし、ともに試合を盛り上げるという自覚が必要になる。単なる自己満足ではなく、選手の気持ちを盛り上げる真の応援になるはずだ。プロ野球でそれができればアマチュアの試合も変わるはずだし、海外でも模倣するリーグが現れるかもしれない。

チェコに球場を

ワールドベースボールクラシックは1次ラウンドが終わった。韓国の敗退は残念だが、いい選手が多いことは分かった。いずれ日本でもプレーしてほしい。一番注目したのはチェコ共和国の活躍である。プロ相手にあそこまで戦えるとは末恐ろしい。

チェコは野球をする環境には恵まれていないようだ。規格通りの球場がない。ならばこれを縁に球場を造る手伝いを買って出るのはどうだろう。何も始めから日本のプロ野球の球場ほどの設備はいるまい。大きさの規格が国際試合かできる規模にすればいい。資金援助が難しいならば、技術上のノウハウを提供するのはどうだろう。欧州ならば一国に1球場あれば国際試合ができるはずだ。

 設備さえ整えばすぐに強敵になるはずだ。そんな可能性を感じる試合だった。