楽曲の力

 NHK交響楽団のコンサートに行ってきた。ファビオ・ルイージ指揮のマーラー「復活」である。この作曲家の作品の常である大編成、盛り沢山の構想は一つの映画作品を観るような多大な印象を叩きつけるものであった圧巻という言葉で済ましていいものなのか分からない。

 作品の背景にはさまざまなドラマがあるようだ。人をしてかような創作に至らしめるには尋常ならざる心のどよめきがいるのかも知れない。それを感じるからこそ、聴衆もまた言語に尽くしがたい感激を覚えるのだろう。

 もちろんこうした種類の楽曲には批判の声も上がるはずだ。装飾過多で実に乏しいといった説である。確かになぜかような大編成に100人もの大合唱団がいるのか。数多い打楽器が連打されるのはなぜか。民衆の音楽風のものから王宮を連想させるフレーズが連続する違和感など取り上げればきりがない。

 曲調が複雑になればなるほど、作曲家の思いの紆余曲折が思いやられ、困難な時代の中で出来上がった心の形を交響曲の形としてまとめたものと察せられるのである。

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