私たちの日常は様々な約束事で成り立っているが、もっとも表面的なものとして暗黙のルールというべきものがある。たとえば車を運転する場合、2つの道路が1つに合流するときには一台ずつ交互に譲り合うというのが私の住む近辺でのルールである。ファスナーに例えられる合流の方法は誰から教えられるでもなく実行されている。救急車両が来れば路肩に車を寄せ道を譲るのもそれであろう。
運転手でなくても決まっていることは大概守られる。電車に乗るときは降車客が降りてからにする。ただこれは時々破られてしまうことがある。モラルの欠如もあるが、乗りなれていない人に見られる失敗であろう。普段使っている路線ならばどのくらいの人が降りてくるのかは大体分かるので、それを待ってから入ろうとするが、旅先では慣れない乗り換えに遅れたくないという焦りに、その駅の乗降客数の状況がつかめないためフライングしてしまいがちだ。
暗黙のルールはさまざまな局面にあるが、それが表面化していないために部外者には分かりにくい。これが国際レベルになるともっと深刻で、自国では当たり前のことが通用しない。場合によっては違反行為になってしまうことも多いのである。
そこから起きるトラブルを防ぐにはどうすればいいのか。それは周囲への観察が欠かせない。自分の行動が他集団ではどのように翻訳されるべきなのかを考えなくてはならない。おそらくそれは多くの失敗も伴うだろう。でもそれを乗り越えてこそ達成できる。暗黙のルールは別の言葉に置き換えると文化と言ってもいい。異文化を知り、場合によってはそれに沿った行動をすることは、日常生活の中からも学べるのである。
