数え年

 日本でもかつては数え年という方法で年齢が計算されていた。明治時代になり1873年に満年齢の方法が導入され、1902年には数え年の方法は法律上からは除外された。その後も慣例的に数え年は使われ続け、現在でも年祝いや厄年といった伝統的な年齢通過儀礼では数え年が優先されることもある。でも、ほとんどの人は数え年の存在を知らず、起算方法も知らない。生まれた瞬間に人は1歳であり、元旦を迎えるごとに1加算される。だから12月生まれの人は、生後1か月もかからずに2歳になる。

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 韓国では数え年による年齢の言い方が普通であった。国際化の影響で今年の6月からは満年齢で統一することにしたそうだ。とはいえ、日本同様に生活に根付いた部分ではこれからも使われ続けるのだろう。韓国では年齢が敬語の使用にも大きくかかわるため、韓国人との会話ではまず年齢を知ることが大切だという。数え方が違うので、干支を尋ねたり、西暦で確認したりする必要があったというが、これからはその心配はなくなるかもしれない。

 元旦に一斉に皆が歳を取るという考えは実はそれはそれで面白い。正月のめでたさがまるで異なる。太陽暦の1月1日は厳冬期であり、寒波に襲われることも多い。春の気配はほとんどない。その中で何がめでたいのかといえば、西暦年が一つ加算されたこと以外は実は何も変わらない。かつての先祖が感じていた元旦と現在のそれとはまったく感覚が異なるといえるだろう。

 個人の誕生日の意識も変わった。古典文学や、史書に登場する人物の誕生日に関する記事はとても少ない。異類譚などでは誕生時のエピソードを書くことはあっても、誕生日の祝いに関する記事はない。誕生日を祝う習慣が存在しなかったのだろう。数え年にとっては個人の誕生日は重要ではないからだ。満年齢になって誕生日を祝う習慣が輸入された。個人の人生が意識され始めたということになるのかもしれない。

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