無常

Photo by Quang Anh Ha Nguyen on Pexels.com

 よく利用していた食堂が数か月前に閉店してしまった。今日また数か月ぶりにその近所に寄ってみたところ、更地になっていた。思ったより狭い土地だった。高級店というわけでもなく、料金が手ごろであったという理由でお世話になっていたが、なくなってみると妙に寂しいものである。

 街の風景が刻々と変わることはもう慣れているはずだった。私の住まいの近くでもかなり頻繁に工事があり、建物が建て替わるだけではなく、道路が建設されたり、なくなったりしている。地図が変わってしまったということだ。それが少しずつ変わっていくのでいつの間にか変わったという風に感じるのだが、これを早送りしてみることができたとしたら実にめまぐるしく変わっているのだろう。

『方丈記』の冒頭にあるようにすべてはよどみに浮かぶうたかたのようなものなのかもしれない。不動のものと信じていたものがあっさりと変わってしまうと感じるのは、私の目が地上すれすれについているからなのだろう。大きく俯瞰する考えができるようになれば、小異は気にならなくなるのかも知れない。むしろ変化しているからこそ、この世の中は継続できるのだろう。生物の身体のように。

 話が大きくなりすぎた。食堂はなくなったが、すぐ近くの別のチェーン店で同じようなメニューが始まったので、いまはそこに宗旨替えをした。こことてもいつまで続くかわからない。前の店ほどうまくはないが、それでもなくなっては困る。この街に来るときはここに通うことと決めている。

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