昨日から関ケ原付近で起きている名神高速道路の大雪による立ち往生は記録的な豪雪のため長期化しそうである。予測をはるかに超える積雪量になったため、予測的通行止めの措置が取れなかったのが痛恨事となった。
このような豪雪による長時間の立ち往生の例としては2021年1月10日に福井県内の北陸自動車道で起きた事例を思い出す。そのときも1000台近い車両が雪に閉ざされ動けなくなった。今回は岐阜県内で発生しており、陸上自衛隊に支援要請が出されている。
気象の専門家によれば日本海寒気団収束帯(JPCZ)がこうした豪雪の背景にあるのだという。これは朝鮮半島の北部にある山岳地帯で二分された季節風が日本海上で合流したときに雪雲を継続的に発生し、さらに寒気が南下している場合は豪雪をもたらすのだという。雪の供給源としては日本海から蒸発した水蒸気であるというが、これが温暖化の影響もあってここ数年は増加しているらしい。福井や岐阜はこのJPCZの下流部にあたり、豪雪のまともな影響を受けたということになる。
こうした気象条件は今後も発生する可能性がある。豪雪が温暖化の影響であるというのは何とも皮肉である。北陸に住んでいたころ、地元の人から猛暑の翌年は豪雪になりやすいという言い伝えがあると聞いたが科学的な根拠があったのである。
能登地方は震災からの復興が課題であるが、その前にこの豪雪をどうするのかが問題になる。まずは予報の精度を上げ、計画運休や通行止めなどの手段を取れるようなシステムを構築することや、この時期の流通の方法や備蓄の在り方、除雪方法の開発などを考えなくてはなるまい。高齢化社会の中で災害時の対応にも工夫がいる。防災テクノロジーの開発も急務であろう。