新暦の重陽の節句は秋の気分はまったくない。まして今年の場合は残暑というより猛暑そのもので風情も何もない。古代中国では奇数を陽の数としており、一つの数字な奇数の中では最大の9が重なるこの日は逆にあまりに陽が強すぎて不吉と考えられたらしい。その邪気をはらうための行事がこの節句の由来という。

今年の場合、旧暦9月9日は10月10日になる。その頃になればおそらく秋色深まり空気も変わっているはずだ。この節句に欠かせないのが菊の花である。菊に薬効があるのかは分からないが、重陽の節句に菊の花は浮かべた酒、もしくはそれを浸して作った酒を飲むとよいとされていた。
何を信じてよいか分かりにくい世の中だが、伝統的な行事は科学的根拠はなくても何か別の意味で大切なものがあることを考えさせる。


