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失恋のクリスマスソング

 このごろ巷間で流れるクリスマスソングで印象的なのはワムのラスト・クリスマスと山下達郎のクリスマス・イブだ。この曲がかかるとなぜか心が惹かれる。

 2つの曲に共通するのは優しくも感情のこもったメロディーラインに、失恋の歌詞が乗っていることだ。クリスマスの告白が見事に失敗するのに、未練が残ってあれこれ考える。そんな内容だ。切なさの中に歌うことで何とかしたいという気持ちが込められているようにも感じる。

 長い年月歌い継がれ、流され続けているのは多くの人に共通する感情を表現しえているからだろう。華やかなクリスマスという行事との対比もいいのかもしれない。また、恋を知らずに憧憬が先行していた年齢のときに感じたものと人生の第4コーナに差し掛かっているいまとでは印象もかなり異なる。

 この曲を今後どのように聞くようになるのだろう。

脅威の価値

 北米大陸を中心にインフルエンザが大流行し多くの死者が発生しているようです。中国発の新型肺炎よりも致死率は高いようですが報道は控えめです。

 アメリカで流行しているインフルエンザはウイルスとしては新しいものではないようで、対策のワクチンも存在するようです。ただ皆保険制度が存在しないアメリカではインフルエンザにかかっても医療機関には行かない人が多いために流行が把握しにくく、対策が後手に回るようなのです。

 アメリカのインフルエンザは非常に脅威ではありますが、さほど報道されず、コロナウイルスばかりが注目されています。これはニュースの価値が実情以上に偏向しているといえます。事実をどのように伝えるのかはジャーナリストの責任でもあります。またそれを読み取る側の能力も試されています。

懐古にとどまらないで

 私にとっては懐かしく感じるものが最近いろいろな場面で現れています。例えば過去に流行した歌や、品物などが今風に形を変えて世の中に出回っているのです。

 この原因を日本の高齢化に求める見方は説得力があります。少子化で低年齢層が減少し、購買者が多いのは中高年という現実を踏まえると、新しいものを作り出すよりは懐古趣味に訴えた方が効果的だというのです。過去に成功したものを利用した方が成功率は高く、しかもボリュームゾーンに訴求するとなればいわゆるリバイバル路線は必然の道筋といえるでしょう。懐かしいものには愛着がわくし、新機軸に振り回されている現実からの逃避にもなります。

 ただ、単なる懐古趣味は何も生み出しません。生活の活力を生み出すのは温故知新的な発想です。過去の歴史なり伝統なり風習なりを尊重しながらも、新しく今の生活にあったものを常に探していくことが必要だと感じます。昔懐かしい何かを感じさせながら、実は最新の発想なり、技術が裏にある。底流にあるものは変わらないけれども実は常に新しいものに置き換えられている。これが日本の文化のありかたであり、忘れてはならない先人の知恵です。

 過去のもの見えながら実は全く新しいもの(こと)を作っていくことが私たちの今やるべきことと確信しています。