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鳥瞰の必要性

 鳥の目になって世界を見下ろしたような地図を鳥瞰図という。bird viewing の翻訳語なのだろうか。地面から見るのとは異なる世界が見えるのがいい。地面にはいつくばって生活している私たちは自分の生活範囲だけで世界を判断しがちだ。ときには鳥の視点を持つ必要がある。

 先日、渡り鳥に関する本を読んで気付いたことがある。鳥類の研究者は渡り鳥の実態を調査するために鳥に発信器をつけて、人工衛星の機能を利用することがあるようだ。ある鳥は冬に九州に渡ってくるが、春以降は北上してシベリアなどに渡るらしい。その本によると渡り鳥がしばしば休憩地と利用するのが韓国、北朝鮮の非武装地帯ということだ。この場所は人間の出入りが難しく、結果として野生動物の楽園となっているようなのだ。

 日本、韓国、北朝鮮、中国、ロシアとこの地域は複雑な政治的状況のもと、人間の交流は制限されることが多い。ただ、鳥には国境はない。民主主義国家も独裁的な国家も人間の話である。こうした動物たちが常に行き来しているという現実を鳥瞰しなくてはならないと思うのだ。