日本の文化を一言で言うならば雑種と言うことなのだろう。こういうと国粋主義者には必ず批難される。だが、雑種こそ最強であることは様々な事例から明かされている。
雑種と言わずにハイブリッドといえば少しはいいのだろう。一つの色に染め上げない選択こそ、この国の叡智である。ただ、単なるごちゃ混ぜではなく、何らかの秩序を求めるのが日本らしさだ。日本風というのは素材とか方法論ではなく、他に根源のあるものをミックスしてもそこに一定の美意識を持ち込み整然としたものに見せることなのだろう。
だから、ほとんど日本らしい要素がないものであっても、でき上がったものは他国にはあまりないユニークなものになる。それが和風の本質なのだ。
こうしたことは日本に限らずどの国、地域にもあるはずだ。ただ日本の場合はこの混ぜ合わせの度合いが深く細やかだということになろう。
日本の発言力が低減しているという考えがもし当たっているとするならばこのハイブリッドの能力を発揮できていないことによるものだ。下手に他国に合わせる必要はない。しかし、つねに他国の文化を取り込む寛容さと貪欲さは必要だ。