
地元の人には有名だが、小田急線登戸駅は駅名表示、壁面装飾、トイレのアイコンまでドラえもんの仕様になっている。我が国を代表するマンガのキャラクターがここでは大切にされている。
ここがドラえもんカラーで満たされているのは作者の一人藤子・F・不二雄がこの地に住んだことに因む。藤子・F・不二雄ミュージアムはこの駅が最寄駅だ。
ドラえもんの世界がこの川崎市多摩区を元にしているのかと言えば、それは違うかもしれない。藤子・F・不二雄こと藤本弘は富山県高岡市出身、もう一人の藤子不二雄である藤子不二雄Aこと安孫子素雄は富山県氷見市出身だ。土管のようなものが置かれた公園は富山の風景が下敷きになっているし、のび太もしずかちゃんも高岡弁で話していたのかもしれない。高岡市はドラえもんの故郷を自称する。
川崎の藤子・F・不二雄は成功後の漫画家としての時代であり、のび太をかなり高いところから俯瞰されていたはずだ。作者たちの境遇が激変する中にあって、それでも未来の国の猫型ロボットは錆びつくことなく生き続けた。作者のお二人が既に鬼籍に入られたあとも輝きを失わない。

人生は短し芸術は長し。後人によってドラえもんはよりスタイルが洗練され、新しい設定を付与され、2次元の世界を飛び出した。いつか本当の自立型ロボットが完成したときそのどれかには必ずこの名がつけられるはずだ。新しいのか古いのか分からない絶妙な名前が。
