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脇役の大切さ

 今更言うまでもないが、演劇において脇役や敵役の大切さは非常に大きい。主役が光るためにはその周囲にいる人物が個性を発揮しなくてはならない。

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 私たちの認識というものは対比という仕組みを大切にする。比較や変化を通して物事を特定するのが私たちの考え方の基本なのである。だから、ある人物のキャラクターを考えるときは、それを知るための物差しがいる。演劇などではその物差しを極端に際立たせることで、わかりやすく人物像をつかませようとするのだ。悪役はあくまで悪に徹し、恋人は魅力的でなくてはならない。ただ、それがあまりにわざとらしいと類型的になってしまうため、さまざまなオプションを加え、変化をつけるのである。

 人生を描写したものが舞台なのであるが、舞台は人生を見つめなおす鏡にもなる。私たちが物事を判断しているのはあくまでも他との比較であり、自分の存在は他者の存在を前提としてしか理解されないということを考えるべきなのだろう。私たちは主役として生きていながら誰かのわき役にもなっている。それをどちらも堂々と演じるべきなのだ。

登場人物

 小説や演劇などのストーリー性のある作品において、すべての登場人物にはその存在意義があるということを教えている。教員である私にとって伝えなくてはならないことの上位にある事実だ。

 主役脇役あるいは端役という言い方があり、確かに小説、演劇などの創作において登場人物のもたらすメッセージに濃淡があるのは事実だ。だが、作品全体の構成から考えるとすべての登場人物には役割がある。その役を果たすことによって作品が作られていく。

 創作者はそれぞれの人物に託して世界を形成する。こういうことは実際に作者になったり、役者となって演じてみると納得できる。そういう機会を与えることも大切だ。