この歳になると、過去の経験を基準にしがちな傾向がある。かつてこのようにして問題がなかったからこれからもきっとそうだろうと考えていく。大抵の場合はそれで何とかなるが、実際にはうまくいかないことが起きる。どんなに似ていても全く同じ展開にはならない。本当は違うのにそれを無理やり同じものと考えているのに過ぎない。
展開を読むというのは物事を成功させるための大切な能力であるが、何もかも読めると思うと思いがけない失敗につながる。読みすぎは読めないのと同じことになる。毎日の生活を円滑にして、効率化するには日々の生活をルーチン化せよいう。生活を作業にせよということである。確かにこれは大切だが、決してそれだけではない。自分のやることが変わらないとしても、周りの世界は刻々と変わり続けているのだから、昔の成功体験がそのまま通用し続けるとは限らないのだ。
もしかしたら日本社会にはこの前例主義が蔓延し、それ以上のことを考えなくなっている人が増えているのではないか。その場その場で判断し、後から見れば無駄や失敗がいくつも残るというのが本来の在り方なのに、それを極度に恐れるあまり、新機軸を得ることができないのではないかと考えてしまう。状況を読みすぎることなく、その時々の世界に直接触れ合うことが大事だと思う。
