吉川英治の「三国志」を再読した。「三国志演義」の翻訳というよりは作者の思う通りに再構成したものだ。それが証拠に時折作者自身が現れ寸評することがある。
軍記であるので極めてたくさんの人物が登場し、死んでゆく。そのキャラクターが立っており、魅力的だ。そして、呆気なく消えてゆくのも潔いというよりも切ない。
後半はもっぱら諸葛亮の活躍が描かれるが、超人的能力で無敵の活躍をしながら、晩年には主君の劉備も一時的に離れ、その死後は蜀の丞相として活躍しながらも、時折失策をすることが描かれる。そして過労死と思われる最期など何とも切ないものだ。
伝説化した人物像がそのまま作品化されたものであろう。それが日本にまで渡り、様々な影響を現代にまで及ぼしていることに感動するのである。
