今見ている風景が本当に世界そのものなのかという問い何通りかの答えがある。見たものこそが世界だ。それ以外は何でもない。自分が認知したものこそが世界なのである。まずはこう考える。
百聞は一見にしかず。見ることこそ世界認知の唯一の手段なのだ。そういう考えは実感として分かりやすい。でも、すぐにこういう反論がある。どうやら、他の生物は世界を同じようには見ていないようだ。色覚や空間把握の仕組みが違うので同じ視点に立っても、全く異なる風景が見えるらしい。生物間のみならず、人間の個人差もある。実は感覚には個体差があり、同じものを見ても同じ風景を見ているとは限らないようだ。
生物学的な理由だけではない。人間は経験や主義によって認知の仕方を変えてしまう。だから、同じものを見ているとしても、そこから何を受け取るのか、何を重視し、何を捨てるのかは人によって異なるということになる。ならば、同じ座標軸にいても見出す光景は個々別々ということになる。
同じ風景を見ていても見える内容は人によって違うかもしれないということに気づけば、世間に山積する社会問題も少し改善されるかもしれない。
