部活動の思い出

 中学生のときには部活動に入るのが当たり前だった。受験の準備とかいう理由でほとんどの生徒が中2で「引退」していたが、私はもう一人の友人とともに3年の秋まで続けてしまった。特に強いわけでもなく、対外試合でもいい成績を残していない。それでも部活動は心やりの場であり、それなりにいろいろあった当時の生活のなかの休息の時間であった。

 私のやっていたのは軟式テニスで、後にソフトテニスと呼ばれるようになったものだ。日本生まれの競技らしく、当時はテニスというハイカラな枠にありながら、チームワークなり、精神性なりといった日本的な要素も濃厚にあった。基本的にダブルスしかなく、後衛の負担に偏重していたルールにあって、前衛だった私はある程度余裕が持てた。ラリーの邪魔をしていくことや、変な動きをして相手を惑わせることなど、技能以前の要素でコートに立っていた。

 後衛のN君は実力者でその後体育大学に進学することになった。私はそのおかげで少しだけいい経験をさせてもらったという感じがする。

 ただ、受験の準備を理由に部活は継続できず、何となく消化不良の感覚だけが残った。もちろんあのまま続けていても強い選手にはなれなかったことは明らかだ。私には変なクセがあって、ついにそれを直せなかった。才能の限界を具体例に実感したのはそれが初めてだったと思う。というよりも、私はテニスが好きではあったが、試合で何としても勝ちたいという意欲にはかけていたと思う。

 日が暮れてボールが見えなくなるまで球を打ち合った日のことをかすかに思い出すことがある。何かのためとか、何をしようとかそういう手段や目的といったものから離れたところにあったと思う。それが今の自分の何に役立っているのか。まったく無益だったのか。それは分からないが何もかも忘れてボールを追いかけた時間はこの齢になっても忘れられない。

 

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