音声だけで成立するいわゆるラジオ劇もしくは放送劇は、私にとつては創作意欲を刺激される表現方法だ。高校生のころこっそりと聴いたラジオの放送の中にはこのラジオ劇がいろいろあった。映像がない分、想像の力で世界がどこまでも広がる感じがしたのはよかった。
NHKの日曜名作座は森繁久彌と加藤道子、その後を継いだ西田敏行と竹下景子が2人で全ての役を演じるという名人芸が展開された。これもよく聴いた。いまは段田安則がその後を演じているようだ。
映像美、とりわけ現在のコンピューターグラフィックスやAIの生成画像はもちろん魅力的だが、敢えて音声だけで演じるラジオ劇は別の魅力がある。目を閉じて聴き入ると作品の世界が浮かび上がるのである。
最近は動画サイトばかりに気を取られることが増えた。ラジオもかつてと異なり、ネットを通して好きな時間に聴取できる。基本に帰って音だけの表現世界を楽しんでみたいとしきりに思っている。
