朝目覚めると不思議な感覚があった。なんでもできるという無敵感があった。そうだ私は実はかなり高い能力を持っていたのだ。それを忘れていた。今朝そのことを思い出したのだ。
いつものように街に出かけた。すると明らかに多くの人が私に注目している。優れた容姿を持つわけでもないのに私が衆目を集めるのはおそらくそれなりの理由があるのに違いない。いまはそれが何かを説明することはできないが、自らの身から溢れる何らかのエネルギーがある。
それでも少しも私は奢らない。あらゆる羨望も怨嗟も乗り越えていける気がしている。というよりその様な人々の営みがむしろ愛おしいものに感じられる。そうか私は一つ突き抜けてしまったのか。
今日は何日だっけ。