カラスの番

 まだ寒い日が続くがそれでも確実に季節は進行している。先日は桜のことを書いたが、動物も季節の移ろいを感じさせてくれる。メジロが盛んに飛んでくるようになったし、これまであまり聞こえなかった鳥のさえずりに木々を見上げることが増えた。そして身近な鳥としてカラスの行動がある。

 カラスは一年中いる鳥だが、この頃は番(つがい)で行動していることが多い。食べ物以外のものを加えて飛び去るのは巣材の収集であろう。調べてみるとカラスは一夫一妻制であり、その絆は深いのだという。2羽で並んで飛んでいるのはおそらく夫婦なのだろう。どちらが夫でどちらが婦なのかは分からないが。

 カラスは死肉をついばむ食性があり、不気味な印象が強い。また、都市部ではゴミ集積場を荒らす厄介な害鳥にもなる。鳥類にしては知能が発達しており、ある程度の記憶も可能で、また鳴き声によってコミュニケーションをとることもあるという。こうした性質が複合すると、不気味で侮れないというマイナスの印象が高まる。しかし、一方では神の使いとして神聖な動物として捉えられることもある。聖俗の間を大きく振れる存在なのはこの鳥の特徴である。それだけ人間の生活に密接に関係しているのかもしれない。

 カラスにとってみればひたすら生きるために行動しているのに過ぎない。「カラスの勝手でしょ」とさえ思っていない。ただそれを見ている人間がこの鳥にさまざまな意味を見出し、毀誉褒貶を与えているのに過ぎないのだ。

カラスの番” への1件のフィードバック

  1. 鬼滅の刃では、カラスが伝書鳩の役割をしてますよね!番(つがい)という漢字を知らなかったので、勉強になりました。

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