
私の職場では4月からマスクの着用義務がなくなった。ようやく自由に仕事ができると思いきや意外にも当面つけ続けることを考えている人は多い。3年もマスクをつけ続けたための弊害もある。
もちろん、いまだコロナウイルスの感染の恐れはなくなっておらず、一定の予防効果があることは捨てがたい。私にとっては花粉症の方がその何倍も恐怖である。今シーズンは飛散の量が多めらしく、周囲に症状が出ている人が多数いる。花粉症シーズンが終わってもまだマスク着用を続けるのかがこの話題の問題点になるのだろう。
マスクの着脱が個人の判断であるかどうかを私は問題にしたいのである。パンデミックの前から季節に関わらずマスクをしている人はいた。それには体質的な問題もあれば、精神面での要因もある。何から自分の身を守るのかは疫学だけでは語れないのだ。それを認めることがこれからも大切なのだ。
危惧するのはいわゆる「マスク警察」を自任する人が勘違いを起こさないことだろう。自分とは異なる少数派をあたかも犯罪者のごとく排斥する行為は、残念ながらこのパンデミックが露呈してしまった。今度は脱マスクに関して行き過ぎた行動をすることはないだろうか。
同調性が極めて強い私たちの国民性は新しい局面に移行するとき様々な問題を引き起こす。慎重さが奏功することもあるが、対応が遅れたり、少数派を傷つけたりする負の局面も多い。個々人が判断することの大切さを現在の状況は求めているのだ。