コロナウイルスの感染者が刻々と増えている。我が国では感染者数を低く抑えてきたが、これは検査数の少なさとも関係があると言われている。最近は積極的に検査を実施するようになって、30代以下の人々の感染状況も補足するようになった。結果的に軽傷もしくは無症状の感染者も計上することになっているのだという。
経済活動再開に歓喜していた人々にとってはまた冷や水を浴びせられる結果になってしまったのは事実だ。このブログでも取り上げた政府の国内観光推進策も方向転換せねばなるまい。ウイルス拡散の政策と認知されれば政権の存亡にも関わる。ただ、以前のようなロックダウンの政策はもはや難しい。そもそも我が国では都市封鎖の効果はほとんどない。いたずらに自粛に走り、経済活動を止めれば感染予防以上のダメージがあるのは自明の事実でもある。
識者にも予測不能の現況を私たち市民はどのように受け止めればよいのだろうか。まずは冷静にならなくてはなるまい。この期間の異常事態に正気を失ってはいけない。まずは足元を見ることから始めなくてはならない。コロナウイルスはかつて歴史を変えてきた天然痘やペストなどのような致死性はない。罹患すると確実に回復させる特効薬がないということが問題であって、すぐに死に至る病ではない。だから恐れすぎてはいけない。
さらに、感染力もさほどではない。空気感染をする結核や水疱瘡のような威力はないと言われている。ある程度の予防策はある。最近、コロナウイルスも空気感染するとの報道があったが、諸見解を総合すると飛沫感染の可能性の方が高いようだ。その意味でマスク着用の意味はある。
感染よりも重大なのが心理的な影響であると考える。コロナウイルスに対するショックは日常のルーティンを破壊し、さまざまな弊害を生んでいる。その中には生活のリズムを失って途方に暮れる人もいるという。私自身にもそう思う瞬間がたびたび起きている。実際に感染していなくても心身に不調を訴える人が出てきているように感じられるのは、精神的なストレスが作用しているのではないか。
こういう時は冷静にならなくてはならない。緩やかな気分になるために大きな風景を見たり、穏やかな音楽を聴き、少々日光を浴び、孤独を避けなくてはならない。それだけで救われるものがたくさんある。世界は危機的な状況にあるが、致命的な状況では決してない。これから展開次第ではいくらでも状況は変わる。思いつめず冷静に過ごすことが大切なのだ。