国民総生産のランキングが低下しているというニュースには驚かなくなってきている。かつての国際的競争力が失われつつあるのは明らかだ。技術立国などと呼ばれていた時代は、新興国の進歩にかすみつつある。過労死が社会問題になっていた時代では労働時間の短縮が求められ、同じ仕事をしても給金が変わる非正規雇用を容認し、不景気に備えて企業は内部保留を優先してきた。そして、効率化を標榜しながら、人々の働き甲斐を奪ってきた。低下には内的要因も多数ある。
いまの日本にとって最も大きな問題は、今後の展望が悲観的になっていることだ。気持ちの問題は大事だ。いくらやっても効果がないと思ったときから、力は限りなく削がれてゆく。今大切なのは地道に向上を目指す志だ。
何をもって豊かだと考えるのかについて、私たちはすっかり物的方面に傾いてしまった。これだと差がついたときに感じる敗北感ばかりが現れる。でも大切なのはもっと心的なものではなかろうか。豊かであることの基準をもっと柔軟に考え直すときがきている。
