消えゆく公衆電話

 街角の公衆電話が消えている。携帯電話が普及した後でも、公衆電話は数少ないものの駅改札などの近くに生き残ってきた。ところが最近、これも急速になくなりつつある。デバイスを忘れたらもう家に連絡することは至難の業である。

 ここにきて公衆電話の廃止が促進されてしまったのは、設置者に対する規制緩和がその要因の一つにあるという。公共の利益の観点から面積当たりの設置数が設けられているが、それが大幅に緩和された。収益より維持費の方がはるかに高いと考えられるものを企業が続けるメリットは少ない。

 若い世代には公衆電話の利用法すら知らない人が多い。硬貨を入れて起動するという仕組み自体が分からないし、そもそもメモリーに電話番号を起動させているため、相手の番号が分からない。中には自宅の番号すら思い出せないという人も少数ではない。

 私も公衆電話を使う機会はほとんどない。ただ、電話を忘れたとき、あるいは災害時などの非常事態に公衆電話の存在は一種の命綱のように感じていた。NTTなどのウェブサイトには公衆電話の位置を案内するページがある。しかし、そもそもデバイスを忘れたときは検索すらできない。日ごろから、いざというときのために生き残っている公衆電話の位置を確かめておくべきなのだろう。

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