周囲が気になるときは

 自分が周囲からどのように見られているのか気になるときがある。ちょっとしたことでも気になってしかたがなくて身動きができなくなる。一方で傍若無人に振る舞えることもある。

 周りの人は実はそれほど自分には関心はない。試しに今日電車の隣の席に座った人を思い出せるだろうか。恐らくどんな服を着ていたかさえ分からないだろう。他人の関心など本当は気にする必要はないのかもしれない。

 周囲の目が気になるときは、心の中で自分の存在が実態以上に大きくなっている。誰からも注目されているように感じてしまっているのだ。そういうときは少し自分から遠ざかる必要がある。自分を俯瞰できるといいのだが、そう簡単にはいかない。

 一つには広い風景が見える場所に身を置く方法がある。実は自分は世界の中では小さな存在であり、自分と同じような人は他にもいるということを実感するのだ。

 他には知らない誰かと話すことがある。自分のことを知らない人と話せれば、自分の存在が他人からどう見られているのかなど気にならない。何しろ知らないのだから。そういう人を探すことが難しい。こういう場を作るのが悩める人を救う方法なのだろう。

 小説や映画を楽しむのもいい。作品の世界を除くことは合せ鏡で自分を見つめることにつながる。作品を挟んで自分を少し遠くから見ることができるだろう。

 私もしばしば自分の姿を錯覚する。後で考えるとどうしてあんなに悩んだのかと思う。そのときに思い出したい。自分の思う自分は等身大なのだろうかと。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください