行き詰った状況の時に突破口になるのが比喩の力である。現状を何かに例えると少しだけ気持ちが整理される。そのときにどのような心理が働いているのだろう。
ここでは直喩を例に挙げる。「のような」「みたいな」などを使う比喩の方法である。今は大変な状況だがそれは「ジャンプするまえにかがむようなものだ」とか、「夜明けの前の暗闇みたいなものである」といった比喩である。これは自分の中にある悩みとか弱みを一般化することで深刻さを緩和する効果があるのかもしれない。
ただたとえるものを間違ってしまうと逆効果になる。暗澹たるもの、終末的なものに例えてしまうと現実はそれ以上に深刻化する。自らを励ますためにはそれなりの語彙力が必要だ。明るい色合いの言葉をたくさん持っていることが自分を救う。