二十四節気の大暑である。節気は大抵の場合、日本の気候とずれているが大暑だけは言い得ている。そして今更言われたくない。
暦上は夏の終わりが大暑であり、次は立秋になる。実際には恐ろしい残暑が待っているのだが、昔の人は暑さの中に秋を感じ取った。連日続く酷暑の中にも秋の種がやどり、すでに芽を出しているものもあるのかもしれない。
この時期に鰻を食べる習慣は万葉時代に遡るかもしれないが、実際に大衆の文化になったのは江戸時代であるという。昔は何をおいても食べたい好物の一つだったが、最近はそこまで思わない。これも馬齢を重ねたためであろうか。それよりも冷や麦の方が数段魅力的だ。食生活に関しては安上がりになりつつある。
