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庭の金柑

 実家の小さな庭に今年も金柑がなっている。つき始めると次々に結実していく。少し摘んで口にすると甘く、優しい香りが広がる。寒い中で冬の日差しを集めて形になったと思うと、とても愛おしい。

金柑

寒き陽を集めてなれる金柑や人なきやどを忘るることなき

椿と山茶花

Photo by Keijiro Takahashi on Pexels.com

 冬の花として椿と山茶花は寒風に負けず鮮やかな花を見せてくれる。両者は一見似ているが、山茶花が10月ごろから咲き始めるのに対して、椿は12月ごろからで花期が違う。ただ12月以降は品種によっては重なって咲く。
 葉の大きさが大きく、つやがあるのが椿であり、小さ目で細かな毛があるのが山茶花であるが、決定的に違うのが花の咲き方と散り方で、椿の花はカップ状に咲くが、山茶花は平たく開ききる。また、椿が花ごとぽとりと落ちるのに対して、山茶花は花弁がばらばらになって散る。これが最も分かりやすいようだ。
 山茶花は日本固有種ともいわれており、学名もCamellia sasanquaと日本語がそのまま採用されている。ちなみに椿はCamellia japonicaだが朝鮮半島や台湾にも分布するらしい。ヨーロッパに紹介したGeorg Joseph Kamel(ゲオルグ ジョセフ カメル)という宣教師兼植物学者の名前を冠してこのような名前になったようだ。日本の花として紹介されたということになる。
 園芸種としても珍重され、さまざまな品種改良がなされている。なかには椿と山茶花を交配したものもあり、それは両方の性質をもつものもあって既述した区分で分けられないこともあるという。
 ついでにいえば茶の原料となるチャノキもツバキ科であり、Camellia sinensisという学名だ。sinensisは「中国の」という意味らしい。椿と山茶花と茶の木が実は近縁種であったとは。身近にも知らないことは多いものだ。 

冷え込み始まる

 昨日の異常な高温が過ぎて今朝は寒さを覚える。これから低温傾向が続き明後日は最高気温が10℃という予報もある。冬の始まりを感じさせる。

 秋らしい陽気が少なかったせいなのか紅葉がいまひとつな気がする。色づく前に褐色となり、落葉を始めている。戻ってきた木枯しでそれが一気に進むのだろう。

 寒さへの耐性は身体で獲得する。ただ寒くなるという覚悟があればその補助にはなるのかもしれない。不意打ちよりは何とかなりそうだ。

欅黄葉

 毎年この時期の楽しみとして商店街の中に植えられたムサシノケヤキの黄葉を見ることがある。

欅の黄葉

 欅の園芸種で樹高や幹の姿が整っている。普通の欅と同じだが夜、商店の照明が当たると魅力的な色合いになる。光が透過した様がいい。写真では上手く捉えられないのが残念だ。

 来週からは一気に冷え込むというから、この光景もあと数日だけだ。散るときはあっという間だから。

花水木の紅葉

 街路樹のハナミズキが紅葉し、落葉も始まっている。晩春の白い花が印象的だが、秋は紅葉と赤く色づく実が印象的だ。

 紅葉の仕方は日の当たり方で変わる。様々なバリエーションがあり、緩やかなグラデーションになっている。一つの木の中なかでもそうだが、樹木ごとにまた違った色合いになっている。

 すでに木枯しが吹き、今朝も寒さを覚える。一気に晩秋の趣きになった。史上最遅の富士山冠雪が報道され、クリスマスのデコレーションが設置され始めた。季節は変わる。私の心も変わる。

ユリノキ

 宮前平駅からの急坂の富士見坂の街路樹はユリノキである。背の高い、葉の形に特徴がある落葉樹だ。

ユリノキの街路樹

 すでに色づき始めているが、落ち葉の季節になるとかなりダイナミックだ。高木であり、葉が大きいのと、独特の形状のために空中を舞う時間が長い気がする。

 ユリノキの名はチューリップにもユリにも見える花に由来するらしい。葉の形から命名された軍配木というのもなるほどと思わせる。黄葉し、落葉するからこそこの木は魅力的だ。ただ、落ち葉の掃除は大変だと思う。

 秋にこの坂を登るのは私の楽しみの一つだ。

冷たい雨

 今朝は気温が上がらず雨も降り続いている。はっきりと季節が変わったことを感じさせる。

 昨日彼岸花のことを書いたがそういえば萩もいつの間にか開いていた。もう少しで咲きそろうのだろう。一気に進む季節には驚くばかりだ。

彼岸花の風景

 先日、近隣の町を訪れたとき、多くの彼岸花が咲いているのを見た。中には鉢植えにして玄関前で咲かせている家もあった。所によっては美しいが不吉な花とも言われているらしいが、この地域の人たちはもっと親和感を覚えているようだ。

 多くは印象的な赤だが白花もあった。球根で増えるこの植物は交配することがほとんどないらしく大半はクローンらしいが、ときに変異が生じるようだ。一斉に咲くのは同じ遺伝子で構成されているからだという。

 彼岸花の名の由来は秋の彼岸頃に咲くからという。今年は猛暑が続いたこともあり、今が見ごろということなのだろう。曼珠沙華とも言われる秋の花を楽しみたい。

ホタルブクロ

 駅のホームに続く土手に自然に草が生える場所がある。いわゆる雑草の植生が見られる場所だ。そこにかなり多くのホタルブクロが咲いているのを発見した。日本全国で見られる野草の一つだが、釣鐘状の花がきれいなので園芸に用いる人もいる。

 ホタルブクロというのは子どもが花の中にホタルを入れて遊んだからという語源説が有力だ。いかにもファンタジックな名前である。もっともこの花はホタルの生態とは無関係であり、ホタルの生息地との関連もなさそうだ。

 調べてみると食用にもなるようだが、食べたこともないし食べたという話を聞いたこともない。毒性がないということは確認できた。綺麗な花にはしばしば毒性があるものだ。

 ホタルブクロを見ると小学生の時に読んだ児童文学を思い出す。古田足日の『大きい1年生と小さな2年生』だったはずだ。ホタルブクロがとても貴重な花のように思えてならなくなった。その後、意外にもどこにでもある花だと知ることになるが。

 駅前の土手はやがて草刈りが始まるはずだ。ホタルブクロは残してほしいなどと勝手なことを考えている。

木漏れ日

 昨日はとても暑い一日だった。ただ、まだ湿度がそれほど高くはなかったので日陰に入ると涼しさを感じることができた。近隣の公園に行くと小さなテントを立てる家族が沢山いた。簡易に立てられるテントがあるらしく、登山の時のような専門的技能はいらないらしい。小さなテントで親子連れが横たわっているのは少し羨ましい。

 私は木陰ができているところに行ってみた。すると木漏れ日が独特の影を落としている。しかもおそらく光の屈折かなにかの効果で独特の縁取りになっている。それが絶妙な半日陰を作り出していた。涼しさに加えて心地よさを感じさせるのは光彩の力なのかもしれない。

 木漏れ日に落ち着きを感じるのは原始の記憶が呼び覚まされるからだろうか。そんな非科学的な妄想を次々に考えてしまう。森に抱かれていたころの人間は今のような生活には耐えられないと思う。

 これからさらに暑い日々が訪れる。冷房に頼りすぎて引きこもってばかりはいられない。それでは精神が病んでしまう。大切なのは猛天下でも適度に外界と関係をもつことなのだ。そのときに木漏れ日の優しさを思い出したい。