昭和の歌謡曲の有名な歌詞もしくは台詞にお客様は神様ですというのがあった。高度経済成長期の商業の場面でもこのフレーズはしばしば援用されていた。日本の接客サービスの良さはあるいはこのマインドセットが影響しているのかもしれない。
ただし、これはサービスをする側の心得、もしくは目標のようなものであって顧客側が神様を自称したらおかしなことになる。サービスを受ける側の態度が尊大になると様々な弊害が起きる。
カスタマーハラスメントと言われる迷惑行為は、残念ながら中高年層に多いのだという調査結果が出ている。本来なら若い世代を導くはずの中高年がトラブルの主人公になってしまっているのだ。
その原因の一つは目まぐるしく発展し変化を遂げた技術についていけてない焦燥にある。昔なら店員が平身低頭で接客していたのにいまはセルフで何でもやらなくてはならない。その説明もないのに若い世代はすぐに順応するが、年配者はそうはいかない。だから、サービスの不十分を感じ、それが怒りにもなる。
神のごとく特別な態度は実は何もできない焦りでもあるのだ。我々は神を自認してはならない。それをした瞬間から、人間とは通じ合えない孤独な存在になってしまうのだ。
私はカスハラを起こす世代にある。最近の機械任せの状況は人手不足や、経費節減のための策であることは承知している。しかし、やはり物を売る側の奉仕と、買う側の感謝は忘れてはならないと思う。怒れる老人に眉を潜めているだけでは解決しない。そういうあなたも将来同じようになるかもしれない。奉仕と感謝の精神を再認識する必要がある。