線路際の小さな空間にたくさんの土筆が芽を出しているのを見つけた。かつてなら当たり前の風景だったが、アスファルトに覆われた地域に暮らしていると特別な光景のように思える。
土筆はそれを見たり摘んだりした様々な過去を思い出させるきっかけにもなる。子供のころの思い出、人生の節目の行事に向かう途中で見た風景、困難の最中に救われた風景の映像、それらが湧き上がるように思い出されるのである。その意味ではタイムマシーンのスイッチのような植物である。
土筆は杉菜の雌花のようなものであり、雑草にあたるものだが、土筆の愛らしさがその価値を保証している。その理由を説明しようとすると結構難しい。

様々な思い出とともに、これからの困難な時代を乗り切るためのエネルギーをこの雑草は与えてくれるのである。
