11月になって紅葉が進んできている。近隣の街路樹などのそれをみる限りではどうも色づきがよくない。感覚的なことなので正確かどうか分からないが、赤みより褐色の度合いが強いように感じた。
紅葉の原因とされるアントシアニンという物質は秋になって葉の中で生成される。赤い色味を表現する色素である。生物学的には葉の老化の過程で太陽光から受けるダメージを軽減する働きをしているらしい。この色素の生成には光合成と寒暖差が必要とされるが、今年の場合、9月と10月の日較差が例年より小さかったために十分にアントシアニンが生成できていないのではないかというのである。
これだけではないが今年の紅葉は色づきが足りないというのは概ね理屈は成り立つようだ。いわゆる異常気象は人体にも相当な影響を及ぼしていると考えられるが、不動のように見える樹木にもかなりの打撃であるらしい。
それでも場所によっては綺麗な紅葉を楽しめる。余裕があれば出かけていって観賞したい。ただ、街路樹の必死な営みにもあわれを感じてみたいのである。