餃子の思い出

 日本では中華料理の代表と考えられている餃子だが、私たちのイメージする餃子とその起源である中国の餃子とはずいぶん違うもののようだ。言ってみれば日本風餃子が私たちのいう餃子なのだ。薄い皮に大蒜やニラをたくさん入れて作ること、焼いた後で酢醤油などを付けて食べることなどが和風なのだそうだ。

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 子どものころ我が家に手作り餃子のブームが来たことがあった。母が中身の餡を作り、肉屋で売っている餃子の皮を使ってそれを家族みんなで詰めた。欲張って入れると皮で包むことができないし、少なすぎると満足できないものになる。その塩梅を少しずつ学んで家族全員が少しずつ作れるようになっていった。できたものをフライパンで焼くのだが、最後に水を入れて蒸し気味にすることなど母は得意な料理だった。

 一人5個もあれば十分なはずだが、当時は食べ盛りであったこともあって数十個食べたこともあった。残ったものは冷凍してまた食べたこともある。母としては家族で作れる楽しさと比較的安価で満たされることなどを計算していたのだろう。多い時には週に一度はこの手作り餃子を食べていたこともあった。

 その後、冷凍食品の餃子が普及し、価格も下がるとこの手作りの家庭行事は徐々に少なくなった。それよりも我々の異常な食欲が一般人のそれに近づくようになっていったことが原因だったのだろう。いくらでも食べられるような気がした日が今となっては懐かしい。

餃子の思い出” への1件のフィードバック

  1. うちは、今でも手作り餃子です。
    餡を多めに作り、次の日はその餡と卵を混ぜて、平たい卵焼きにします

mame58 への返信 コメントをキャンセル

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