料理は

 料理は芸術という人もいれば科学という人もいる。確かにその両方の側面を持つものだ。料理の作成過程を見るとそう思う。

 料理において材料や調味料の組み合わせはある程度決まっている。それが文化ごとに型のようなものがあるので、郷土料理のようなものが発生する。私の身近では醤油や味醂、さらには昆布や鰹節でとった出汁を使う味付けが定着しているので、そういう味覚を美味しさの基準にしがちだ。この意味では料理は文化の具現化したものだ。

 とはいえ作る人により、味付けが微妙に異なり、いわゆる母の味なるものがある。店ごとに味が微妙に違うというのも楽しみの一つだ。その意味では料理は個人だとも言える。

 私たちは簡易な既製品的な味付けに慣れてしまい、これらの料理の本質を忘れつつある。一からすべてを作ってきた時代の苦労を取り戻せとはいえないが、せめてどのように作られているのか、そこまでにどのような物語があったのかについては関心を持つべきではないか。

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