木漏れ日

 昨日はとても暑い一日だった。ただ、まだ湿度がそれほど高くはなかったので日陰に入ると涼しさを感じることができた。近隣の公園に行くと小さなテントを立てる家族が沢山いた。簡易に立てられるテントがあるらしく、登山の時のような専門的技能はいらないらしい。小さなテントで親子連れが横たわっているのは少し羨ましい。

 私は木陰ができているところに行ってみた。すると木漏れ日が独特の影を落としている。しかもおそらく光の屈折かなにかの効果で独特の縁取りになっている。それが絶妙な半日陰を作り出していた。涼しさに加えて心地よさを感じさせるのは光彩の力なのかもしれない。

 木漏れ日に落ち着きを感じるのは原始の記憶が呼び覚まされるからだろうか。そんな非科学的な妄想を次々に考えてしまう。森に抱かれていたころの人間は今のような生活には耐えられないと思う。

 これからさらに暑い日々が訪れる。冷房に頼りすぎて引きこもってばかりはいられない。それでは精神が病んでしまう。大切なのは猛天下でも適度に外界と関係をもつことなのだ。そのときに木漏れ日の優しさを思い出したい。

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