脳の老化に

 誠に悔しいことだが、脳の老化を自覚することがある。まだ幾分意識がはっきりしているうちに、いまの焦燥を記録しておく。

 一番、このことを痛感するのはマルチタスクができなくなっていることだ。例えばパソコンで作業中に別のことをやろうとすると、さきほど何をやっていたのかが分からなくなる。これは悲しい事実だが今は毎日経験していることだ。私は研究職をしていた時期があり、自分のペースで作業をすることには慣れていたが、今の職場のように臨機応変を重視する環境には全く馴染めない。その最たるものがパソコンによるマルチタスクである。

 脳が認知に果たす役割は大きい。認知される世界が変わるとならば世界観価値観のパラダイムシフトも起きる。つまり老化がもたらすのは世界の縮小化、歪曲化である。見えるものが変わりかんじることが変わってしまえば総体的世界観も大きく変わる。

 本当に見ているものと脳が捉えるものとに差があるならば、いかにすればいいのか。そのような問は無意味で、私たちは脳というフィルターを通してしか世界を実感できない。だからそのフィルターの調子か変わることは一大事なのである。

 親の老化を見て痛感している。誰にも避けられない脳の老化がある。そうなってしまうともう感じられない何かがある。すでにかなり進んでしまっているが、今の状態で何ができるのかを考えてゆきたい。

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