ローマ字表記法の変更

 70年ぶりに日本語のローマ字表記法の基準を変更することが行われそうだという報道があった。学校で教える訓令式が英語の綴りとかけ離れているためより英語に近いヘボン式に近い表記法が採用されるようだ。

 確かにサ行やタ行、拗音などの表記は訓令式で表示されるとかなりの違和感がある。Matidaは何とか想像がつくが、マティーダと読まれるだろうし、Sinzyukuは日本にある都市とはとても思えない。ヘボン式にすればまだ日本語の発音に近い読みを期待できる。

 ただ、それだけでは解決できない。最も困難なのが長音の扱いだ。長音を言葉の単位と考えている言語はそれほど多くはない。かつてオリンピックで活躍した大野選手は、現地の掲示にはOno と表記されていた。小野選手が同じ競技に出場していなかったのは幸いだった。大谷選手のユニホームにはOHTANIとあるが、長音がいつでもHで表せるわけではない。飯田選手のユニホームにはIIDAとあった。

 長音はヘボン式でも書ききれない。私がお世話になっている中央林間はなんと書けばいいだろう。アルファベットの上に横棒をつけるŌが今のところ最適解だろう。この字をスマホで出すのはOを長押しするといい。

 いずれにしても発音体系が異なるローマ字で日本語を完全に表記することはできない。韓国人の英語表記は日本よりもっと自由でバラエティに富む。イさんがなぜLeeなのか、パクさんがどうしてPark なのか。理由などない。そう決めたからそうなのに過ぎない。

 日本も自分なりの表記を決めてしまえばいいだけのことだ。それを海外にどれだけ説得できるかが国力というものなのだろう。

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