歳を取ると些細なことには動揺しなくなる。正確には一々反応できなくなる。そして、何を言われてもすぐに流してしまう。これは利点であり欠点でもある。
いろいろな失敗を繰り返しているうちに、失敗データベースのようなものができる。過去の経験に照らし合わせ、そのどれかの亜種のように扱う。個々の出来事に向き合っていないのは不誠実だが、そうして過剰な反応をすることを避けている。
私の目指すことろは別にあると思えば日常の些事にはこだわらなくなる。最低限の勤めを果たせばそれでよい。面従腹背も一度やってしまえば心地よい。
若い人には私のようにならないようにと言っておきたい。人様に迷惑をかけることは絶対にしないが、やりたいことを妥協しないためにかなり狡猾に立ち回っているのだから。
私自身は年配の部類になっても遠慮するつもりはない。したたかにやりたいことをやるだけだ。歳を重ねてもこういう変人がいることにはご注意いただきたい。