ハロウィンの夜、渋谷を通る電車に乗った。去年までは大勢の化け物たちが乗り合わせたが、今夜はほとんど見かけない。渋谷区長の呼び掛けは奏功したようだ。

アメリカでは仮装するのは本来子どもであり、大人が憂さ晴らしの乱痴気騒ぎをする行事ではないようだ。日本ではなぜかそれが大人の行事となり、渋谷のハチ公前交差点がその「聖地」となってしまった。さらに飲酒酩酊して暴徒化寸前にまでなった年もあった。間違った文化摂取が隣国にも伝わり、大事故を引き起こしている。
渋谷区長の呼び掛けは、大勢に従う日本人の性格には効果を得たことになる。結果としてそれでも渋谷に集まる者は社会的規範の意識が薄い者とみなされ、非難の対象となった。化け物退治は成功したという訳だ。
ハロウィンには祖霊へのまつりと収穫感謝の要素があるという。この方面に関しては注目していい。秋彼岸や名月鑑賞など、伝統的行事との関連も考え、大人の行事として作り直すことも必要だ。