町田にプロのサッカークラブを作ろうという機運が高まり、JFLに昇格したあたりから私は時々観戦に出かけたことがある。今は立派になった町田市立陸上競技場の客席の大半は傾斜した芝生席だったし、鉄道駅からのアクセスが悪いからプロチームは無理だと言われていたことを思い出す。今年はJ2リーグでの首位を独走しており、先日の天皇杯予選ではJ1首位の横浜・F・マリノスに圧勝した。相手はベストメンバーではないにしてもJ1の優勝争いをするチームに勝つまでの実力があることが証明されたのだ。
私が観戦したころはJFLの3~6位くらいを行ったり来たりしていた。相手は実業団チームであったが、TDKや松本山雅などのちにJリーグに昇格したチームもいた。観客はいつも1000~2000程度でそのなかにもかなりの招待席があった可能性がある。熱心な応援団がガラガラの観客席にチャントを繰り返していた。選手たちのかける声もよく聞こえたし、試合後に観客席に挨拶に来ると、観客席の少年から「コーチ」の声が多数かかった。少年チームの指導員の仕事を掛け持ちしていたのだろう。町田は少年サッカーが盛んな土地柄で、当時Jリーグで活躍する選手の出身地は静岡の街に肩を並べるくらい多かった。その後、J2に上がり、再びJFLに陥落し、そして再昇格した。
チームが強くなったのにはいろいろな要因がある。サイバーエージェントがスポンサーになったこともその一つかもしれない。人気が出るとあたかも昔からプロサッカーチームがあったかのように思う人が増えてくる。「パスを回せ」「こっちだー」と大声でボールを要求していた選手は今は都議会議員になっている。あの頃は人を集めるのだけで一苦労だったのに。
私がなんとなく大切にしているものの一つにJFL時代のチケットの半券がある。すでにプロ化の進みつつあったもので、サポータークラブに入っていたのでそのおまけとしてもらったものだ。2010年8月1日の試合で、ガイナーレ鳥取と対戦して0-1で敗れている。記録をみると7081人の集客があったようだ。私はソニー仙台やホンダロックといった実業団チームとの試合の方が実は印象に残っている。千何百人のうちの一人になれたことを嬉しく思ったものだ。
