自然音との調和

 現在、使用中の国語の教科書には坂本龍一氏のエッセイが掲載されている。音楽とはなにかを語りながら、人の生き方に迫る名文だ。

 我々が音楽と称しているものの大半は調律された音階と、規則的なリズムとで構成されており、それが評価基準になっている。でも、それは極めて人為的な不自然なものであるというのだ。

 実際の音は極めて多彩で偶然性に溢れている。それにこそ魅力がある。これはなんでも他人の基準に合わせることが正しいとする現代人の価値基準と対立するがそれ故に魅力的なものの見方である。

 流麗なメロディーメーカーの意見として玩味すべき文章だ。逝去の報に接し残念でならない。

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