Someone to watch over you

 川崎駅周辺に100以上の監視カメラが設置されるのだという。川崎市長は全国で最も安心できる街にすると記者の取材に対して述べたらしい。川崎は現在訪れるとかなり整然としているが、かつては犯罪も多く発生していたので危ない街という印象がある。おそらくそういう先入観を払拭したいという考えもあるだろう。

 川崎に限らず設置者の公私を問わないならばすでに多くの監視カメラが設置されている。警視庁が設置するカメラは分かりやすいが、そのほかにも駅の改札付近のカメラやコンビニエンスストアのカメラ、個々人が防犯のために玄関から外を写しているカメラなどがある。さらにこれは盲点かもしれないがいわゆるドライブレコーダーは移動しながら街の様子を記録し続けている。

 すでに現代社会は監視されている社会なのである。いまのところはそれを統合することは難しいかもしれないが、やろうと思えばできてしまうテクノロジーはそろっている。犯罪が起きないようにするため、起きてもすぐに犯人を特定するためにはこうした技術は有益だろう。ただいつも誰かに監視されているということを忘れてはならない。世間の目がゆるさないという日本人が伝統的に持ってきた価値観はすでに形而上学的なものではないということなのだ。

 エラ・フィッツジェラルドの名曲 Someone to watch over meのようなロマンティックな状況とは少々違う。

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