雪道の運転

 雪国に住んでいたころ、降雪があると大きな覚悟が必要だった。それは職場まで自動車でたどり着かなくてはならないということだった。

 北国の人であれば雪道の運転は当たり前である。しかし、にわかに北陸の人となった私にはかなり過酷な試練であった。何しろ東京に住んでいたころは車の運転自体をほとんどしなかったのに、いきなり毎日運転してしかも雪道の斜面の上の職場に通ったのである。初級編を飛ばしていきなり中級編の最後の方のページに取り組むようなものだった。

 ブレーキの踏み方は特に注意した。交差点ではスリップする分を割り引いて制動する必要があった。特に危ないのが橋の上だ。凍結していることが多く、車体が左右に振られることも多い。最初の一週間は本当に恐怖の連続だった。次第に慣れてくるとそこそこの運転ができるようになってくる。油断をするとまたスリップする。幸い雪道で事故を起こしたことはなかった。しかし、あと少しで危ない状態だったということは何度かあった。

 これは地元の皆さんでも同じで、冬場になると脱輪する車にたびたびあった。中には田んぼの中に転落して逆さになった車のなかから乗っていた人を助けたこともある。幸い全くけがはなく車も軽微な損傷で済んでいた。ただ、初めて現場に遭遇した時は大いに驚き、救急車を呼ぼうとして当事者に止められたのを覚えている。

 昨夜から日本海側を中心に雪が積もっているらしい。ぜひ安全第一にお過ごしいただきたい。私のようなへっぴり腰の方が事故は起こさないのかもしれない。過信は禁物だ。余計なおせっかいだが。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください