欅紅葉

 このところ暖かい日々が続いていたが、今週からは冷え込み始めるらしい。すこし足取りを緩めていた季節の進行も紅葉は着実に進んでいる。植物ごとに紅葉の仕方もいろいろあって、それを見比べるのも楽しみの一つだ。私がその中でも注目してしまうのが欅の紅葉である。

 欅は同じ種類でも紅葉の仕方が様々だ。さらに、同じ幹でも枝によって紅葉の仕方がさまざまなのも面白い。赤くなるものもあれば黄色が濃いもの、その中間のものとバリエーションがある。

 なぜこのような複雑な紅葉の仕方をするのかは分からない。日の当たり方とか、枝ごとの遺伝子の違いとか、いろいろ想像するがよく分からない。ただ、単に鑑賞する身としてはこれほど楽しみなものはない。

 紅葉した欅の葉は日に透かすと美しさが際立つ。美しい秋の風景を演出する。このきれいな紅葉も枝を離れて落ち葉になると、急速に干からびて同じような枯葉色になってしまうのも不思議だ。あれほどきれいだったのに、落ち葉としては個性のないものになってしまう。あたかも土にかえるのに余計な色はいらないとでも言っているかのような潔さを感じる。

 今はなき卒業した中学校の校章が欅の葉をデザインしたものだった。表参道の欅並木からとったという説明を聞いたことがある。その時は欅がかくも美しいものだとは気がつかなかった。紅葉の美しさを知るには自分も歳を重ねなければならないのかもしれない。

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